2012年1月16日

2区に渡るトゥーティエムフェリーは廃止になっていたんですね

ホーチミンへ来られた人なら一度は見られた事があるかもしれない1区と2区を結ぶフェリー、
トゥーティエムフェリーが、2012年1月1日午前0時を持って廃止になっていたようです。

トゥーティエムフェリーが運航停止、静かな最後の日々 - [VIETJO ベトナムニュース]

Thu Tien Ferry.jpg

 ホーチミン市の1区と2区を結ぶトゥーティエムフェリーが、1日午前0時をもってその歴史に幕を閉じた。昨年12月下旬には乗客もまばらで、かつての賑やかだった空間は静けさに包まれていた。フェリーの最後の日々の様子をレポートする。

 2区に住むゴック・クインさんは「トゥーティエムフェリーをこの10年近く利用していました。いつも徒歩か自転車なので、これからはトゥーティエム橋まで回らないといけなくなります。サイゴン川トンネルは自転車の通行が禁止されていますから」と寂しげに語った。

 乗客の中には長年の顧客の他に、記念写真を撮りに初めて乗船したという人もいる。ビンタイン区在住のブイ・ミン・ゴックさんは、時々サイゴン川のバクダン公園に立ち寄るたびにフェリーを目にしていたが、乗ったことは一度もなかったという。この日、2回往復したというゴックさんは「なんとも残念な気持ちです。もう1回往復して写真を撮るつもりです」と話した。

 フェリーの乗客数は、2区とビンタイン区を結ぶトゥーティエム橋が開通してから大きく減少し、1区と2区を結ぶサイゴン川トンネルが昨年11月に開通してさらに減少した。以前は1日当たり8000人以上、最高で4万5000人の利用客がいたこともあったが、トンネル開通後は3500人にまで落ち込んだ。

 フェリーやフェリー乗り場で働いていた44人の職員の中には、勤続20年以上というベテランも多い。それぞれが残念な思いを口にした。乗客から叱責を受けたことも、今では懐かしい思い出だ。勤続36年のニャンさんは「フェリーの最後が近づいて、乗客が声をかけてくれます。まるで家族のように今後のことを心配してくれて、とても幸せな気持ちです」と語った。

 フェリーの職員らは退職する人以外、次の配属先が確保されている。しかし乗り場周辺で屋台やバイクタクシーを営業している人にとっては、フェリーの運航停止は死活問題だ。屋台で飲み物を販売していたクックさんは「売上高は既に以前の5分の1以下にまで落ちています。フェリーが止まった後、どうやって稼いだらいいのか分かりません」と頭を悩ませている。

 トゥーティエムフェリーは静かに幕を閉じた。フェリーはその与えられた歴史的使命を完遂し、ホーチミン市の建設と発展に大きな貢献をしたと言えるだろう。

フェリーが廃止されたのは、工事中だったトゥーティエムトンネル(サイゴン川トンネル)の完成が大きいと思いますが、
それぞれの位置関係はこんな感じです。2011年4月のパノラマ写真
Panorama_1600.jpg
オレンジ色の土がむき出しになっている部分は昔は建物が建っていたところで、
この写真から既に再開発のために殆どの建物がなくなっているのがわかります。


ホーチミン在住の方で、当日フェリーに乗られた方がおられました。
ブタカワイイ的☆★☆★越南楽珍生活:さよなら2011年、さよならトゥーティエムフェリー


続きの部分に、2011年4月にFinancial Towerから撮影したフェリー船着場の写真を載せておきます。




110A0502_1024-12.jpg
フェリー船着場、1区側:


110A0590_1024-12.jpg
フェリー船着場、2区側:


110A0585_1024-12.jpg
2区側の船着場周辺は再開発で周りのほとんど建物が取り壊されています。


THUTHIEM.jpg
2区の再開発想像図
SkyscraperCity - View Single Post - BIG PROJECTS IN SAIGON.
もちろんベトナムですからこの想像図のようにはならないと思いますが、
高層ビルが出来てモダンな地域に生まれ変わらせようとしていますね。

ウォータフロントエリアは、綺麗に整備してレストランやショッピング街を作れば、
素敵な町になると思いますが、上の想像図からはなんとなくそのようなデザインではないですね。
2区からだと夕方~夜にかけては対岸の1区の夜景を楽しむことが出来ると思いますが・・・。


DSCF0334_1024-10.jpg
2区からみた対岸1区の夜景。2011年4月撮影


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コメント[4]

ブログをご紹介いただいて、ありがとうございます。
船着場の画像、とても貴重ですね。
フィナンシャルタワーから撮影されたのでしょうか。
私が乗ったとき、日本人らしい観光客の方やカメラマンの方も
乗っていらっしゃいました。
2区側で商売をしている方は本当に死活問題だと思います。
立ち退かれた方も立ち退き先での生活に苦労されているとか。
発展のためには仕方ないのかもしれませんが。。。

対岸側では夕涼みの人、釣りをしている人が夕方たくさんいて、
その景色は本格的に建設工事が始まるまでは見られると思います。
建設が始まるのはいつのことやら、といったかんじですけどね。

No.1141のbutakawaiiさんのコメントへの返信

butakawaiiさま、
コメントありがとうございます。

またホーチミンを代表する風景がなくなったという感じですね。残念です。
ホーチミンもこうやって普通のアジアの大都市になっていくのでしょうね。
フェリーで2区側へ渡ると、1区の喧騒から外れてのんびりした古き良きベトナムみたいな雰囲気があって好きでした。
でも簡単にはいけなくなっちゃいましたね。

上手く都市計画をやれば、ウォーターフロントなどは市民に憩いの場所になると思うのですが。
計画では一応フェリーの船着場の近くに歩行者専用の橋が計画はされているようですがこれも何時の事になるのやら。

サイゴン川2区側の対岸の名物巨大看板が撤去されたあたりから、急激に味のあった古くからのサイゴンが失われてしまい、いつかなくなるとは思っていたものの、フェリーや、その近所の市場までこんな早さで消えてしまい、ものすごく残念な気持ちでいっぱいです。
松本零士風味満載の、近未来風ビルディングなんてどこにでもあるモノなのですけど、サイゴンであったりベトナムらしさを感じさせるものではないんですよね……。

フェリーに乗って対岸に渡るだけで、タイムスリップしたような錯覚に陥ったあのころの2区が懐かしいです。
去年、行っておいてほんとうによかった(泣)。

No.1143のPIYOKOさんのコメントへの返信

PIYOKOさん、
フェリーの利用者はかなり減っていたらしいので、廃止はしょうがないのでしょうね。
昔の2区側の看板の写真とか探したのですが、自分は写真に撮っていませんでした。
もともと2区側には住居が少なかったのであっという間に変わってしまったのでしょう。

再開発でホーチミンの中心部にあった安レストランなんかもどんどん引越したり閉店しています。
新しく出来るのは高層のビルとショッピングセンターです。
綺麗なお店ばっかりで特別用事がないと行かないです。

高速から見えるシンガポール中心部の高層ビル街なんか全く魅力がないのですが、アジアのどの大都市も結局はあのようになってしまうのでしょうね。
5年後にはホーチミンのどのあたりにベトナムらしい風景が残っているでしょうか?
みんなお金持ちになってビアホイやバイクタクシー、天秤棒のおばちゃんなんかも今よりもっと少なくなるでしょうね。

> 去年、行っておいてほんとうによかった(泣)
そうですね。フェリーはいずれはなくなるとわかっていたので、後で写真を撮るつもりでいましたが結局出来ませんでした。あと一回くらいフェリーで2区に渡っておきたかったです。

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