2014年9月 6日

素晴らしい授業だと思います

ハーバード大卒業生の小林亮介さんが企画したプログラム。

ハーバード流、高校生の鍛え方 徳島で出前授業  :日本経済新聞
 参加者の高校生も、やる気をかき立てられるようだ。地元の高等専門学校に通う3年生の住友美海さんに2日目の夜に尋ねた。「少人数での授業は、最初は緊張した。でも、人との距離が近い分、深い話も聞けるし、自分と違う考えを持つ人の意見もじっくり聞けた」。そのうえで「自分の意見があっても英語でうまく表現できなくて悔しい思いもあった。失敗を恐れず、多少間違った英語でも頑張って自分の考えを伝えたい」と、自らを奮い立たせていた。

凄く良く考えられた授業だと思います。

英語の上達だけでなく、欧米の生の学生たちの考え方、空気に触れるだけでも大きな経験になると思います。このような経験はずっと忘れないんですよね~。
このような授業受けてみたかったですね。

法人化して、活動範囲を広げる計画もあっていいですね。
妥協する事なく、記事にあるような丁寧で濃密な授業が続けられるよう希望しています。




続きの部分に記事全文を引用しておきます。


ハーバード流、高校生の鍛え方 徳島で出前授業  :日本経済新聞
2014/9/6 6:30
 人口5000人に満たない徳島県のある町にこの夏、米ハーバード大学や英オックスフォード大学など米欧の著名大学に通う若者9人がやって来た。迎えたのは地元の高校生ら40人。太平洋を望む合宿所で1週間、寝食を共にしながら、大学生らが出前授業をするという。将来への夢や不安でいっぱいの高校生たちは、異国の先輩から何を学んだのか。ビデオカメラと共に迫った。


■「リベラルアーツ」が土台に

 徳島全土が阿波おどりに沸いた8月中旬。県南部の牟岐町で、高校生らが海の向こうからの客と初顔合わせした。この日から6泊7日で催される「徳島サマースクール by H―LAB(エイチラボ)」の参加者で、県内から30人、県外から10人が選抜された。参加動機は「英語が好きなので、ネーティブスピーカーと交わることで会話力を上げたい」「大学から留学できるかを確かめたい」「世界を身近に感じるため」など様々だ。

 企画・運営したのはH―LABという大学生らが運営する団体。「H」は「Harvard(ハーバード)」と「High school student(高校生)」に由来する。

 今回の合宿は、グローバル人材を育てるため英語教育を充実させたい徳島県がH―LABに働きかけた。H―LABは同様のプログラムを3年前から東京などで手掛ける。合宿形式にこだわるのは、寮生活を通じ、先輩との密な付き合いを重ねながら自分を見つめ直し、視野を広げていくハーバード大の伝統をモデルにしているからだ。異なる文化や考え方を理解できる総合力を身につけさせるリベラルアーツ(教養教育)の考え方が土台にある。

 大学生たちは手作りで自分の専門分野を教える。セミナーと呼ぶ少人数授業のラインアップには、個性豊かなテーマが並ぶ。「モダンダンス入門」「身近な化学―せっけん」といった軟らかめのものから、「現代アメリカ合衆国の様々な素顔―善・悪・卑劣」「政治における中立とは―人道主義における日本の役割」といった硬派なものまである。

 セミナーは何度も開かれ、参加者は自分が関心を持った複数の講義を受けられる。合計で12時間もの時間をあてているのは、高校生に多様な考えを許容し、自らの意見を持つことへの意識を高めてほしいからだ。

 ある授業をのぞいてみると、ハーバード大で医学を学ぶ女子学生が高校生に意見を求めていた。集まった高校生は5人。米国で起きた実際の出来事を次々と取り上げる。登場人物の行動は、是か非か。「米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン氏が、米国家安全保障局(NSA)による個人情報の収集活動を暴露した事件はみんな聞いたことがあるかな。詳しくはこの資料を読んでね。スノーデン氏の行為はよいことか悪いことか、どう思う。3分考えてみて」

 セミナーでは、是非を尋ねたうえで、一人ひとりにそう考えた理由を求める。「悪いことだと思う。守秘義務を背負ったうえで政府に雇われていたのに、それを破ったから。暴露したことで米国民を危険にさらした」「よいことだと思う。普通の国民が盗聴されていることを知らせたことには意味がある」。

 セミナーでは、たとえ拙くても高校生が英語で答えることを促す。必ずしも英語が得意でない高校生もいるため、配慮もしている。講師役である海外の大学生と、日本語と英語のバイリンガルである大学生がペアを組み、ときには日本語を使って手助けするのだ。


■失敗恐れず「自分の考え伝えたい」

 参加者の高校生も、やる気をかき立てられるようだ。地元の高等専門学校に通う3年生の住友美海さんに2日目の夜に尋ねた。「少人数での授業は、最初は緊張した。でも、人との距離が近い分、深い話も聞けるし、自分と違う考えを持つ人の意見もじっくり聞けた」。そのうえで「自分の意見があっても英語でうまく表現できなくて悔しい思いもあった。失敗を恐れず、多少間違った英語でも頑張って自分の考えを伝えたい」と、自らを奮い立たせていた。

 宿泊先は全員が一緒だ。「牟岐少年自然の家」という合宿施設で、2段ベッドの並ぶ部屋に寝泊まりする。同じ食事を食べ、共同風呂を浴び、夜には畳の部屋で語り合う。車座になって、大学生は自らの経験を披露しながら、高校生の質問に応じる。この車座はハーバード流を模した象徴的なものだ。社会人のゲストも日替わりで訪れ、各界の第一線で活躍する人と高校生が対話する。年齢や国籍、興味の対象もまるで違う人々が距離を一気に縮めることを狙っている。

 プログラムの仕掛け人はハーバード大をこの春に卒業した小林亮介さん(23)。H―LAB構想は、自らの経験がもとになった。ハーバードへの入学早々、ホームシックにかかる暇もなく自分への「アドバイザー」が5~6人ついた。いずれも大学生や大学院生の先輩で、学問分野や国籍も様々。社会人経験がある人もいた。寮生活をともにしながらこうしたアドバイザーが手厚く面倒をみるシステムに「一番感動した」。小林さんは、この仕組みのおかげで在学中に「徐々に自分の関心分野が変わってきた」と振り返る。

 高校生は必ずしも自分の得意分野や興味の対象を分かっているわけではない。そこに風穴をあけたいというのが小林さんの思いだ。いろいろなセミナーをはしごするうちに、視野にも入っていなかった学問に目を向けたり、思い込んでいた進路とは違う道にも思いをはせたりするきっかけにしてもらえれば、という。過去にH―LABが企画したプログラムに参加した高校生160人の多くが「行動」を起こしたという。そのうち、約2割が外国の大学に進んだというのもうなずける。

 今回の参加者のひとり、徳島の高校2年生の武田悠人さんは医学を志している。「このサマースクールに来て、志望校が変わりつつある。海外の大学にも挑戦しようという心が固まった」


■わずか1週間、されど1週間

 日程中には、飯泉嘉門・徳島県知事も会場を訪れた。参加した高校生と直接対話するコーナーを終えたばかりの知事に聞くと、「いまの若い人は、物おじせずに自分の表現をどんどんしていく。島国ニッポンも大きく変わった」と笑った。H―LABと組んだ意図については、「徳島にいながら世界にチャレンジしていく若手を育てたい。地方でもグローバル人材を育てられると立証したい」と話した。

 一方、H―LABは今秋にも一般社団法人化する。これまではハーバードなどの学生も往復渡航費を自腹で負担するなど、国内外の大学生のボランティアに頼って運営してきた。しかし、他の地方自治体などからも組みたいという働きかけが増えていることを踏まえ、一般社団法人で活動を本格化させる。

 「井の中の蛙(かわず)だったと分かった」。徳島のサマースクールに参加したある高校生は晴れやかに言った。最初は仲良し同士で固まっていた高校生も、次第に垣根を越えることへの抵抗感が薄れ、大学生や社会人に自分から向かっていく姿勢の変化が見てとれた。わずか1週間。されど1週間。地元にいながらにして濃密な国際経験にもまれた夏は、彼らにとって果たしてどんな転機になるのだろうか。(映像報道部 杉本晶子)


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