2005年1月11日

津波と衛星画像

Category : Sumatra Quake

前から気になっていた事があります。

JMM冷泉彰彦氏がメールで配信していたように、
「今回の津波の様子は、軍事衛星などを保有する米国他の先進国では、わからなかったのか?」
と言う事です。

実はNitty-Grittyさんのエントリー津波衛星写真:インドネシア・スマトラ島沖地震でその写真を見るにつけ、かなりの数の民間の組織でも充分津波の様子は、わかっていたのではないかと思いはじめました。
【追記】
ある程度調べていくと、技術的には衛星からの映像は、津波の警報に使えるようにはならないと言う事のようです。失礼しました。しかし亡くなった方が20万人という事実から何とか一人でも助けられなかったのかという思いは残っています。

今日のニュースでは以下のような記事が、

米海洋大気局(NOAA)は11日までに、インドネシア・スマトラ島沖地震で発生した津波がインド洋に広がる様子の観測画像を公開した。地球を周回する4基の欧米の人工衛星がレーダーで観測した。津波は発生から8時間50分後にはインド洋全域を覆ったことが分かる。 

以下NOAAのページ
NOAA SCIENTISTS ABLE TO MEASURE TSUNAMI HEIGHT FROM SPACE

そりゃ、こんな広範囲で起こった災害なんて全部止められるわけがないし、
非難のシステム、連絡の方法もなかったと言えばそれまでなのですが、
それでもはっきり言って、


お前らの家族がいても何もしなかったのかよ!


と言いたいです。
直接の犠牲者だけで20万人です。

地球上には何処かで様子を見ていた人もいるんでしょうね。
少しでも何とかして被害の予想を伝える事が出来なかったのか?
どんな方法も不可能だったのか?
諦めるにはあまりにも大きすぎる犠牲のように思います。

20万人以上の被害者を出して動き出す国際防災・予知システムが作られるのでしょう。
災害予知先進国の一つとして日本の防災の関係者は、もっと積極的に国際社会、
でアピールしていく責任を負わされていると思います。
技術的な事、その施設の建設力は世界一じゃないでしょうか?

以下、冷泉彰彦氏の記事の引用です。↓




Japan Mail Mediaからの引用です。


■ 『from 911/USAレポート』 第179回
    「ツナミの洗い流したもの」

■ 冷泉彰彦   :作家(米国ニュージャージー州在住)


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 ■ 『from 911/USAレポート』 第179回
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「ツナミの洗い流したもの」

元旦の朝に放映されたNHKの仕事のために、短い間ですが暮れの日本に滞在してい
ました。スマトラ沖地震とインド洋の大津波被害という事件が起きたのは、丁度その
間のことでした。以来、私は怒りの感情からどうしても自由になれません。地震から
津波来襲までの時間に「逃げることができたはずだ」「死ななくてもいい人々が大勢
死んだ」という思いを一旦抱いてしまうと、どうしても憤怒の感情を抑えることがで
きないのです。

「太平洋側には津波監視システムがあったが、インド洋側は未整備だった」という報
道が一般的です。ですが、海に近いかあるいは海底が震源の地震の場合、津波の危険
を考えるというのは当然のことのはずです。「監視システム」などと大げさなことを
言う前に、単に「危ないよ」という一言が、電話やEメールが、国から国へ、海のこ
ちら側からあちら側へと伝わらなかったのでしょうか。

ですが、被災地の人々を責めるのは酷です。私の怒りというのは、主としてアメリカ
と日本に対しての感情でした。まず、アメリカは世界中を対象として、宇宙から地上
を監視する軍事衛星のシステムを持っています。建物の一つ一つから、人間の一人一
人まで判別できるというのが売り物です。戦闘の細かな状況把握を宇宙から行って、
地上の前線はそのデータを見ながら戦争をする、ファルージャの市街戦はそのように
して戦われたというのです。

そんな衛星からの監視システムが「海の異変」を察知できなかったというのは妙な話
です。事実、プーケットに押し寄せる津波がまるで渦を巻いているような「衛星写真」
も公開されているのですから、そのはるか前の段階、つまりスマトラ沖で海底での大
陥没があり、大きな津波の波動が発生し始めた時点で、不気味な円を描いた波動が拡
散してゆくイメージは宇宙から把握されていたはずです。

爆発の煙やミサイル格納庫のような「判別しにくい映像」の分析には熱心でも、海上
に出現した明らかな巨大異変には気づかない、これで「監視」をしているというので
すから、呆れた話です。それとも、例の「衛星イメージは軍事機密にして他の組織と
は共有しない」という原則がここでも徹底されたのでしょうか。

そこには時間の感覚という問題もあります。例えば今問題になっているMD技術です
が、音速の何倍かで飛来するミサイルを空中で迎撃する、そのためには15分が勝負
だ、というようなことが言われています。その15分の「戦い」のためには、膨大な
予算と人材を投入する一方で、この津波というスピードは「せいぜいが音速の半分」
で「数時間の余裕」のある「脅威」とはまともに戦えていないのです。それがアメリ
カの主導する「安全『保障』」の実態というわけです。

日本もそうです。地震国であり、海洋国家である日本、太古の昔から津波の被害を経
験し続けている日本には、津波警報に関するノウハウが蓄積されています。微少な地
震であっても「津波の心配」を臨時ニュースで確認する日本のノウハウがあれば、何
万という人命が救えたのでは、そう思うと無念の思いにかられてしまうのです。

更に、そこには「命の値段」に対する不思議な感覚が見え隠れします。漠然と「外国
人の生命より自国民の生命」を重視し、更に「天災の被害者より人災の被害者」の命
に大きく反応する、そんな感覚がどこの国にもあるのでしょう。例えばアメリカや日
本の場合は、今回の地震と津波は「遠く離れた国の惨事、しかも天災」ということに
なるわけで、テロや殺人に比べると、怒りのスピードが遅い、そんな心理になってい
るのかもしれません。

結果的に、災害の規模の割には、日本もアメリカも当初の反応は遅かったように思う
のです。特に私の滞在していた間の日本の報道には違和感がありました。TVでは細
切れの報道が多く、しかも無事に帰国した日本人観光客の感想などが主で、どこか間
延びした印象がありました。とても10万単位の人命が失われた惨事の報道とは思え
ない内容だったのです。

私は、時にそのような日本の雰囲気に違和感を感じながらも、「中越地震の傷、度重
なる台風、巻き込まれたイラクでのトラブル」などに苦しんだ日本には、天災や人災
への「疲れ」があるのだろうと、怒りを抑えていたのが本当のところです。ただ、C
NNの映像などで、プーケット島での行方不明者の安否確認ビラが貼り出されている
のを見ると、どうしても頭に血が上ってしまうのでした。

人命の重さは無限大です。1人の生命を救うのに巨大な犠牲を払うこともあるのはそ
のためです。その一方で、1人の死よりは10人の死が重たい意味を持つということ
もあるでしょう。その数が、数百人となると、また重さは違ってきます。例えば91
1のテロ事件では、確かに3000人近い生命が失われました。その重さは数百人と
いうのとは、また次元が違うのです。

ですが、今回は12万5千人です(12月31日現在)。これに加えて、無数の不明
者があり、また感染症などの二次災害の危険に晒されている人を加えると、最終的な
犠牲者数は見当もつきません。これは更に全く次元の違う話です。距離の遠さ、国や
民族の違いを乗り越えて、本当に人類的規模での惨事と言わねばなりません。

そんな中、この30日にアメリカへ戻ってきたのですが、JFK空港に着いて駐車場
から車を出して、地元CBSのAMラジオをつけた私は驚きました。トップニュース
であることは勿論、30分のニュースの中で、「大津波」に関するニュースが3分の
1を占めていたのです。

無事だった観光客の「体験談」や、数千人というアメリカ人の行方不明者の問題はそ
れほど大きく扱われていませんでした。まず、プーケットの地元の人による「津波の
恐怖」に関するインタビューがあり、続いてインド、スリランカ出身者の多い、NY
の隣町「ジャージー・シティ」の市長の話が続きました。

このフランク・ハーグという市長が訴えていたのは、ジャージー・シティとして「分
裂を乗り越えて被災地への支援を行おう」ということです。この分裂というのには二
重の意味があります。まず市政としては「共和党と民主党」の激しい抗争がありまし
た。市長選でも、市議会選でもこのジャーシー・シティでは常に両党は激しい確執を
演じてきました。今回の支援に当たっては、その確執はひとまず棚上げにしようとい
うわけです。

もう一つの確執は、スリランカ社会における仏教徒とヒンドゥー教徒の争いです。長
年の内戦という形で表面に表れた確執は、海を渡ってこのジャージー・シティの移民
社会にも影を落としていたらしいのですが、そうした分裂も乗り越えようというので
した。

この30日の夕刻のニュースでは、ヒラリー・ロッダム・クリントン上院議員のスピー
チも紹介されていました。「人類にとってたいへんな惨事です。アメリカとして可能
な限りの支援をすべきだと思います。人道面もそうですが、安全保障の戦略上もこの
地域に貢献することは重要だからです」というのが、ヒラリーのコメントの要旨でし
た。

これにさきがけてブッシュ大統領も演説を行っています。ブッシュ大統領はこの津波
災害について「人類史上、最悪の惨事」という言い方をして、国を挙げての支援を行
うことを表明しています。また、これと前後して「アメリカ、日本、オーストラリア、
インド」の4カ国で、「災害支援コアリション」というのを作って行動することを表
明、タイとの間にJoint Task Force 536 (JTF 536)を締結、直ちに作戦を発動してい
ます。その姿勢を示すデモンストレーションとして、空母アブラハム・リンカーンを
急遽インド洋に展開しています。

実際、アメリカの反応は私には予想外でした。CNNの行った簡易世論調査では、
「この津波災害が今年一番のニュースか?」という問いに82%(30日夜現在、約
15万2千中)がイエスと答えています。イラク戦争や、大統領選挙を抑えて、この
津波災害を、この2004年の最大のニュースとする感覚、ここへ来て10万人規模
の惨事というインパクトが伝わっているようです。

たまたま訪れたコンピュータのアップル社のサイトでは、ホームページの全面が「津
波被害救援キャンペーン」になっており、国際赤十字やユニセフへのリンクが直接張っ
てありました。地元のローカル新聞を見てみますと、実際に津波が起きた翌日の27
日から「ニュージャージー中部赤十字」では募金活動を立ち上げているようですし、
大晦日の時点では、「年越しの瞬間に犠牲者への黙祷をしよう」という運動がネット
上で起こっていました。

アメリカ人はいったいどうしたのでしょう。テロへの恐怖や報復への衝動に流されて
いた過去から、急に目を覚まして南アジアの人々の心配を本気でし出したのでしょう
か。アメリカに戻ったばかりの私には、まだ良く分かりません。ですが、昨晩のCN
N「ラリー・キング・ライブ」という番組では、ホストのラリーの代役で司会をして
いたナンシー・グレーブという女性キャスターは、10万人という犠牲者数を口にす
るたびに涙ぐんでいましたから、ある種「本気で」災害への思いを抱き始めているよ
うなのです。

実際に、軍の派遣だけでなく、官民を挙げての援助はかなりのスピードで動き出して
いる一方で、メディアの論調の中には救援活動が遅いと政府を激しく批判するような
コメントも出始めています。まだ分かりませんが、アメリカ人の深層の中に「911
以降変わってしまった、自分たちの世界との関わり方」をこの津波災害を契機に「正
常化したい」という気分が生まれているように感じます。自分たちが底抜けの理想主
義を掲げていることに、自他ともにどこかで信じられる、そんな言動のパターンへと、
この「津波への支援」を通じて戻れれば良いのだと。

少なくとも、各メディアは本気です。CNNなどは、医療問題の専門キャスターを含
めた主役級のキャスターを続々現地に送り込んでいますし、右派のFOXニュースで
さえ、ホームページでは「どうしたら寄付ができるか」のリンクを大きく張る一方で、
国連のアナン事務総長の「救援を呼びかける演説」をストリーミング配信しています。
イラク戦争の前後では、アナン氏のことを「裏切り者」とか「辞めろ」と罵っていた
FOXがです。

そもそも、「津波」という概念はアメリカ人にはなじみが薄かったのです。日本語の
「ツナミ」はそのまま「TSUNAMI」という英語になっていましたが、長い間、
単なる「高波」ぐらいの意味で使われていたのです。例えば、今回の津波以前にこの
「TSUNAMI」という言葉でアメリカ人の頭に浮かぶイメージは、葛飾北斎の
「神奈川沖浪裏の図」だったのです。

それが、今回のニュースでは「TSUNAMI」イコール「地震の起こす恐ろしい高
波」という正確な意味で使われるようになりました。もう面白おかしい意味で、この
言葉が使われることはないでしょう。

アメリカが支援に熱心なのは、経済的な被害が少なかったということもあります。こ
うした大規模な自然災害が起きますと、損害保険業界あるいは再保険業界の負担が問
題になるのですが、「USAトゥデー」の報道では、悲しいかな今回は被災地での損
保加入が恐ろしいほど低率なのだといいます。保険金支払いという形で強制的に支援
をする必要がないために、社会として任意の支援を行う余裕もあるし、その必要も深
刻だというわけです。

ただ、津波支援に熱心な背景には政治的な思惑もあるのでしょう。ブッシュ大統領自
身が「米日豪印」の4カ国の「支援コアリション」にこだわるのは、この地域がイス
ラム教国を含み、微妙な政治情勢が絡まるという問題が背景にあるように思います。

問題はマレーシアとインドネシアで、911以降のアメリカの対イスラム政策への冷
ややかな視線を持っている地域です。その両国が被災したということで、それに対し
て「コアリション」への屈服を迫るものという側面、そしてアチェの問題を中心に、
被災というダメージが政治的不安定になるようなら、豪州の不安感情などをバネに圧
力をかけようという意図が見え隠れしています。

どうやら、日本は「中越地震で疲れた」とか「久しぶりに好況感のある正月に一息入
れたい」などというのも、少し我慢して、フルスピードで、この「支援ラッシュ」に
乗り遅れないようにしなくてはならないようです。

軍事が絡まない人道支援であるからこそ、その活動が新たな紛争や対立の人災につな
がっては大変です。「コアリション」などというのは、内向きな共和党政権がカネを
出す口実のスキームだ、というぐらいに割り切って、日本は国連中心、そして被災国
との二国間関係中心の支援を徹底的に行うべきだと思います。中国の支援、イスラム
圏からの支援などとも歩調を合わせるべきでしょう。

素地はあります。既に現地入りしている緊急支援部隊の人々は、生存者の救出と、遺
体の収容という困難な作業を黙々と進めておられると聞きました。その姿は、必ずや
現地の人々の琴線に触れるはずです。

そういえば、東京でタクシーにお世話になりましたら、今では珍しくなくなった女性
の運転手さんが「チリ津波」の体験談をして下さいました。石巻の出身という運転手
さんは、子供の時に巨大津波の引いた浜辺の光景が瞼の裏に焼き付いて離れないと言
うのです。

「私たちの村は浜でしたから、被害はそれほどありませんでした。でも、隣村の入り
江では犠牲者も出たらしいのです。津波が引いた後で、海水が異常なぐらい引いて沢
山の魚が打ち上げられていました。子供たちは喜んでその魚を拾っていたのですが、
漁師だった父にそんなことはするなと叱られたのを覚えています。その日は、週末だっ
たのですが、子供はみんな学校に集められて無事を確認し合ったのでした」

そこには大昔から海への畏敬とともに、津波の恐ろしさと戦ってきた人の知恵が感じ
られました。「そんな私には、警報が全くなかったというのは信じられません」そう
運転手さんの言うのももっともです。

信じられないような大津波は、この2005年の正月に、否が応でも時代を先へと進
めています。と同時に、過去のわだかまり、過去の愚かさも流してくれているように
も思うのです。

アメリカ人の素朴な善意があふれている、それは素晴らしいことです。ですが、ブッ
シュ政権としては、ハリケーンの際の危機管理を成功させたフロリダ州のジェブ・ブッ
シュ知事(大統領の弟)を支援活動の責任者として送り込むというのでは、2008
年の大統領選への思惑が見え見えです。

「コアリション」などという詰まらないフレームは無視して、日本は支援の先頭を突っ
走るべきです。北海道や三陸の海で、あるいは紀伊半島で、土佐の海で、長年にわたっ
て津波と戦ってきた、そして地震災害についても痛みとともに知恵を蓄積してきた日
本には、その責任があるのでしょう。打ち上げられた魚を喜んで拾うのではなく、む
しろそれをたしなめる毅然さをもって、被災地の人心に慕われ頼られる、正に日本な
らではの支援に期待したいと思います。

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冷泉彰彦:


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上司と話をしていて気になったので、少し検索をかけたところ、Here and There Blogの津波と衛星画像というエントリーにぶつかった。さて。本当に衛星画像を通して津波は見えていたんだろうか?私は以下の2点から見なかったのではないかと考えている。1.撮影範囲写真を皿.. 続きを読む

コメント[8]

すみません、トラックバックを送ったときに二重になってしまったようです。
片方は消してくださっても構いません。

いわさきわたすK様、
初めまして。
こちらもTBさせていただきました。
2重投稿は気になさらないで下さい。
これからもよろしく御願いいたします。

技術的なことに関しては他の方がトラックバックしてたサイトに書いていますが、補足すると、軍事偵察衛星はライブカメラのように24H撮りっぱなしではなく、あらかじめ撮影時刻と座標をセットし、軌道を修正して撮影します。静止衛星では無く低い高度を周回しているので撮影できるチャンスは上空を通過する時だけで、一日に数回程度です。そのため、数の限られてる衛星は北朝鮮やイラクまたは仮想敵国の上空を周回するように降り割けられています。
仮にもし、技術的な問題が無かったとしても、あなたの主張だと、専門のスタッフが24時間、リアルタイムに画像をみて全世界の海上を監視していることになります。全世界の海をチェックするとなると一人や二人では無理で、津波専門の対策室でも作らない限り不可能です。米軍がそんなことをしていたと思いますか?

通りすがりさん、
津波早期警戒のシステムがインド洋沿岸の国々になかったのは事実で、何十万人の人がなぜ助けられなかったのか?と行っている訳ではありません。
でも、これだけの広い範囲で、何十万人という人が亡くなって、地球上の誰一人として津波の発生を知らなかった。
誰も何も出来なかった。と割り切れないのです。

http://herethere.cressel.com/logjp/archives/2005/01/19_2227.php
このエントリーのコメント欄にも書いていますが、地震発生の数分後に津波の心配は太平洋岸にはないと連絡している組織だってあるのです。

ただし、調べていくうちに衛星からの情報による津波の警報発令はは殆ど無理だったのだろうと思いました。

 多くの人命を救いたかったという気持ちは伝わってきます。
きっと、あなたはいい人だと思います。が、事実は事実としてて
反論したいので、前回のコメントも含めて、もし不快に感じたならば申し訳ありません。

>このエントリーのコメント欄にも書いていますが、地震発生の
>数分後に津波の心配は太平洋岸にはないと連絡している
>組織だってあるのです。

その英文の記事に書いてあるのは太平洋津波警戒センターの
ことだと思われますが、
そこは太平洋中に観測ブイや海底地震計などの機器を
設置していますが、残念ながらインド洋側にはありませんでした。
このあいだ読んだニューズウィーク日本語版の記事によると、
太平洋側の海底地震計でも地震をキャッチしたが、震源地が
地震計から遠かったので、津波を起こすほど大きい地震だという
ことまではわからなかったようです。
所長が、「インド洋にも警戒態勢を敷いていなかった事を
私は一生、後悔し続けるだろう」というような事を言って
いました。

>地球上の誰一人として津波の発生を知らなかった。
>誰も何も出来なかった。と割り切れないのです。

その感情論のために、罪のない米軍や太平洋津波警報センターなどの
人達に、「知っていたのに見殺しにした」というレッテルを
貼るのは、少々乱暴では無いでしょうか。

また、日本という安全な場所にいながらそうした批判をするのは、
一生懸命、現地で支援している米軍の人や、今、一生懸命に
インド洋側の警戒システム構築に携わっている警戒センターの人に
対して、失礼なのでは無いでしょうか。

通りすがりさん、

http://ioc.unesco.org/itsu/contents.php?id=145
に書いてあるのは、
within minutes following an alarm signaling a strong earthquake in the Indian Ocean, NOAA’s Tsunami Warning Centers in Hawaii and Alaska issued information bulletins to all ICG/ITSU member states and other Pacific nations indicating that a magnitude 8.0 earthquake (later upgraded to M9.0 by the U. S. Geological Survey) had occurred off the west coast of Northern Sumatra, Indonesia. According to the agreed-upon procedures for the International Tsunami Warning System in the Pacific, this event did not pose a threat to the Pacific.
とあります。
これは、「インドネシア、北スマトラ島の西海岸沖で、マグニチュード8.0の強い地震があったという情報を太平洋のメンバー各国に発信した」書かれています。

>震源地が地震計から遠かったので、
>津波を起こすほど大きい地震だという
>ことまではわからなかったようです。
上記の情報とは少し違うのではないでしょうか?。

太平洋津波警報センターは、小さな組織かもしれませんが、それを取り巻く各国の組織はかなり大きいのではないでしょうか?
情報を発信するにしても西洋ですから細かい決まり事があり、責任のあるポジションの人まで情報が行ってそれが承認されて情報発信ということになっているので話でしょうか? この事を例に出してよいか迷いましたが、あえて出す事にしました。
また津波の警報を受けていた?と言うインド空軍等、
数人ではなく数百人の人が地震の発生→津波の危険性を知る立場にあったのではないだろうかと言う思いはまだあります。
だから、これらの人たちが「20万人を見殺しにした」とは言っているつもりはありません。
誰かが悪い事をしたのでしょうか?
これは人災なのでしょうか?
もちろん違います。

私がインターネットを通じて集められる情報は限られています。
細かいシステム上の手順、制限などももちろんわかりません。
証拠を見せたり、技術的な根拠を示す事も出来ません。

だから、感情論で話をするなと言われるとどうしようもありません。
Keep my mouth shutなのでしょうか。

それと、現在復興、支援に関わっているすべての方々、
警戒システム構築に関わられているすべての方々の努力を
一切非難したつもりはありません。
少しでも紛らわしい、失礼な事を言ったのであれば、この場を借りて謝ります。

太平洋津波警報センターの状況については私の認識が間違っていたようなので謝ります。
その後調べたところ、共同通信のサイトで次のような記事を見つけました。

 http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2004/sumatora/serialization/2.html

やはり、関係者は自分に与えられた立場の中で一生懸命に動いていたようです。ただそれも、地震の解析が終わってから津波が海岸に到着するまでの短い時間の中では難しかったということではないでしょうか。

貴重な情報、有難う御座いました。

太平洋津波警報センターの担当者の方は考えられる限りの努力をされていたのですね。
結果だけ見て判断してしまったようです。申し訳ありませんでした。

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