2010年9月 1日

夜の街で揺れ動く日本人駐在員:日経ビジネスオンラインから

Category : 2010 Diary

日系ビジネうオンラインからの引用。
続きの部分に全文掲載。


第3回:誰も語らない「もう1つのチャイナリスク」

このような話が表沙汰になるのは珍しいですが、
日本人が起こした刑事事件だからしょうがないか・・・。

通常はもみ消し舞台がいて、
お金を使ってこのような事件をもみ消しているという話です。

会社のお金を現地の女性につぎ込んでしまって解雇というのはよく聞く話です。
中国に限った事ではありません。
特に東南アジアではよくある話です。
昔からある話なので、今チャイナリスク等と云う話にはなりません。

ベトナムで一番有名なのはホーチミンで8億円を使い込んだ日本人でしょうか?
これは金額があまりに大きく、会社が警察に告訴して発覚しましたが、
通常は表にでない話ですね。

女性に熱を上げて借金をするというのはよくある話ですが、
駐在員の場合、国内に比べて大きな権限を与えられているので、
お金なども自由になる場合が多いようです。






第3回:誰も語らない「もう1つのチャイナリスク」

 中国進出のリスクは、商習慣の壁や、現地での雇用の難しさだけではない。"駐在員の暴走"も、中国で事業を手掛ける経営者が認識しておかねばならない問題だ。単身赴任した日本人男性駐在員を待ち受ける落とし穴について解説する。

 事件は2009年7月4日、上海の西にある国際的な観光都市、江蘇省蘇州市で起きた。現地の大型工業団地に進出している日系企業に勤務する30代の日本人駐在員が、市内のバーで働く中国人ホステスを刺殺。殺人の罪で身柄を拘束されたのだ。

 現地からの報道を総合すると、駐在員は4日の夜、1人でバーを訪れた。最初は、被害者のホステスとソファで座って話していたが、しばらくして叫び声が店内に響き、ほかの店員が駆けつけると、既に女性は果物ナイフで全身6カ所を刺されていた。直ちに病院に搬送されたものの、死亡した。

 駐在員は店の常連客で、2008年ごろにホステスと知り合い、"親密な関係"にあった。毎月の生活費を渡していたほか、さまざまな生活用品も買い与えていたという。ところが、女性には別に恋人がおり、事情を知った駐在員が激高し凶行に及んだとみられる。

 2009年11月、蘇州市中級人民法院は、この駐在員に無期懲役の判決を下した。駐在員は控訴せず、刑が確定したと伝えられる。




地元では「起こるべくして起きた」という声

「少なくとも江蘇省では前例がない」といわれる日本人駐在員による殺人事件。しかし、地元・蘇州では、「あのような事件がいつ起きても不思議ではないと思っていた」(現地在住の40代女性)という声が少なくない。

 実際、刑事事件にまで発展しなくても、単身赴任した男性駐在員が女性トラブルに巻き込まれることは珍しくないという。その裏には、現地にはびこる、駐在員向けのさまざまな非合法ビジネスの存在がある。

 日本人駐在員は現地、特に地方都市では依然として"高給取り"である。当然、場所によっては、そんな駐在員を狙う怪しい商売が横行することになる。

 日系企業の駐在員が現地で居住するのは、会社の借り上げ社宅かホテルが一般的だが、蘇州の場合、一昔前までは各部屋をノックして"営業"する女性たちがいた。最近は「ホテルのバーで駐在員に日本語で話しかける」「駐在員向けのカラオケスナックで待機する」など手法が変わりつつあるものの、目的に変わりはない。ホテルマンに賄賂を渡し、商売をやりやすくしている者も多い。

 「鶏(ジー)」と呼ばれる彼女たちは出稼ぎ組で、後ろ盾を持たない個人営業の鶏と、地元の非合法団体「地頭蛇」によって組織化された鶏がいる。いずれも背後に、男性がいる確率は極めて高い。


 一方、"一度きりの商売"を原則とする鶏に対し、駐在員の赴任期間限定で愛人に収まる女性たちもいる。こちらは、背後に危険な人脈があることは少ないが、現地では「二奶(アルナイ)」と呼ばれる、「白い目で見られている商売」であるのは確かだ。




真面目な社員ほど逆に危ない

 「日本で真面目に働いていた社員が、そんな怪しい女性たちと懇意になることはあり得ない」と思う経営者もいるかもしれない。ただ、発展途上国での駐在は、不向きな社員には想像以上に孤独でストレスのたまる仕事であり、何が起こるかは分からない。

 複数の赴任者がいる大企業であれば、気晴らしもできるし、相互監視の機能も働く。が、単独で赴任している中小企業の駐在員の場合はそれがない。気分転換に駐在員向けのスナックに行き、そこで偶然知り合った人に別のスナックを紹介される。そんなことを繰り返している間に、複雑な事態に陥っていく可能性はゼロとはいえない。海外での開放感もある。


 もちろん、多少羽目を外したとしても、相手の素性を理解し"割り切った関係"が維持できるのであれば、取り返しのつかない事態には発展しにくい。

 問題は、冒頭の事件のように「本気」になってしまった場合だ。蘇州の事件は最悪の結果になってしまったが、そこまでいかなくとも、駐在経験がきっかけで社員が家庭不和に陥ったり、多額の借金などを背負ったりすれば、現地での事業展開にも支障が出かねない。

 蘇州の事件での被害者は19歳の未婚女性。地方からの出稼ぎ者で、前述したような組織の人間ではなかったようだが、恋人はおろか、子供もいたという情報もある。

 にもかかわらず、男性は真剣に結婚を考えるまでになっており、将来を展望してか、日本語学校への費用なども支払っていたという。そうした意味では、真面目な社員ほどむしろ危ない、といえるかもしれない。




現地での"副業詐欺"で撤退したケースも

 単身赴任した日本人男性駐在員を待ち受ける落とし穴は、女性がらみの問題だけに限らない。昔からよくあるのが、駐在員が現地で副業に手を出してトラブルを招くケースだ。

 例えば、別の会社の駐在員と共同出資で、会社に黙って飲食店などを開業し失敗するパターン。

 この手の話には、かなりの確率で怪しい中国人が関係している。彼らは日本語を操り、駐在員向けのスナックや日本料理店に出没。言葉巧みに、「店の運営や当局への届出は自分が代行するから、出資しないか」と誘ってくる。

 その後、一度は開業するも、しばらくしてから、「従業員が金を持ち逃げした」などと言って店を閉めてしまう。駐在員側も、法律に則った正式な投資ではないため、公安に訴え出るわけにもいかない。

 駐在員が自分の小遣いをなくす程度なら、まだ傷は浅い。蘇州では、経営者が会社の金まで副業に注ぎ込んでしまい、現地から撤退したケースがあった。


 もちろん、女性がらみのトラブルといい、副業に関するトラブルといい、いずれも中国特有のものではなく、日本国内やほかの国であっても起こり得る問題ではある。

 しかし、現実に「最悪の事態」を招いた実例がある以上、中国で事業を手掛ける企業のトップも、駐在員本人も、「中国の地方都市に、その手のトラブルが"起きやすい"環境が依然としてある」という事実を、今一度、認識しておくべきだ。中国進出のリスクは、決して、商習慣の壁や、現地での雇用の難しさなど、"教科書"に書いてあることだけではない。


当サイトの関連記事

Bookmarks

  はてなブックマーク - 夜の街で揺れ動く日本人駐在員:日経ビジネスオンラインから   

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://herethere.cressel.com/mt4/mt-tb.cgi/1323

コメント[2]

記事面白かったです。参考になりました。
ベトナムでも今後起こりえますからね。

No.760のつぁがいさんのコメントへの返信

つぁがいさん、コメントありがとうございます。

この類の出来事はどこでも起こっている出来事です。
ただ、8億円という額の事件は今後はなかなか出てこないでしょう。
日本人だけに特有な事というわけではないと思いますので他の国の企業でも多かれ少なかれ起こっている事だと思います。

コメントする


お詫び:コメント投稿後に反映まで時間がかかったり、
エラーが表示される事がありますが殆どの場合正常に投稿されます。
暫く待って、INTERNAL SERVER ERROR等が表示された場合、
そのままブラウザーの「戻る」ボタンで前の画面に戻ってください。
コメントは正常に投稿されているはずです。