2012年4月29日

Google Drive, Dropbox, SugarSyncの比較

Google Driveサービスが始まっていよいよ本格的なクラウドサービスの時代となってきた気がします。

今までそのクラウドサービスの先行者となっていた、DropboxSygarSyncお呼びYahooボックスというクラウドサービスを使ってきましたが、今回はGoogle Drive、Dropbox、SugarSyncのサービスを簡単に比較したいと思います。


以下は私が作った簡単な比較表。

数値、値段は2012年4月28日現在のものですから、
必ず最新の情報を手に入れて比較してください。

Google DriveDropboxSugerSync
無料アカウントでの容量5 Gb2 Gb5 Gb
メモリー消費量約75Mb約60Mb 約95Mb
アクセススピード早い早い比較的早い
スマートフォンとの同期無料無料無料(以前は有料)
同期フォルダーの場所マイドキュメント内専用フォルダーマイドキュメント内専用フォルダー・ マイドキュメント内専用フォルダー   ・ 別の場所のフォルダーも追加指定可能
100Gbの有料アカウントの価格  $4.99/月  $19.99/月  1575円/月  
紹介による容量の増量   なし500Mb/件500Mb/件
その他同期フォルダー内で同期したくないフォルダーの指定が可能SugarSyncへの同期のみの設定可能(SugarSyncへのリアルタイムバックアップ機能)
利用規約Google利用規約Dropbox利用規約SugarSync利用規約
 

それぞれの項目の説明。
無料アカウントでの容量:
無料アカウントでもらえるストレッジ容量です。
メモリー消費量:
メモリー消費量は、自分のパソコン(Windows XP、英語版)でそれぞれのアプリケーションを走らせた場合にタスクマネージャーに表示される各プロセスのメモリー使用量です。
SugarSuncが少し高いですが、私の場合通常のマイドキュメントフォルダー以下の専用フォルダー以外に2つほどフォルダーを追加で同期させているので、その分で少し大きくなったのかもしれません。
いずれにしても、Skype程度のメモリー使用量で問題はありません。
アクセススピード:
これは、全くの渡し個人の感覚的な判断で数値的な根拠は全くありません。
ファイルはすべてローカルで保存されるので使い勝手で問題はありません。
ただし、ファイルをコピー、移動、削除した直後にパソコンをシャットダウンして、別のパソコンにその結果が反映されるかというと、大きなファイル(動画ファイルなど)の場合にこのスピードが影響してくるかと思います。
またネット環境のよい日本ではあまり気にならない問題かもしれませんが、
Google Drive、Dropboxに比べSugarSyncはあれっまだ同期終わってない?
と感じる時があります。これも、有料アカウントにするとスピードが速くなるという話もあるようです。
スマートフォンとの同期:
ちょっと前までは、SygarSyncの場合、スマートフォンへの同期は有料アカウントが必要でした。それに比べDropboxは問題ありませんでした。今回Google Driveがスマートフォンへの同期を無料で可能にした為、SugarSyncも競争力を保つ為、無料にせざるを得なくなったように思います。
という事で、SugarSyncが優位になり、Dropboxは優位性が低くなりました。
同期フォルダーの場所:
これは、Google DriveとDropboxがマイドキュメント以下に専用のフォルダーを自動で作成、そのフォルダーがすべて同期されるという設定です。設定もわかりやすく初めての人でも使いやすい設定になっていると思います。
それに比べ、SugarSyncはもっと詳細な設定が出来ます。マイドキュメントというのはCドライブに作られるので、同期させるファイルが増えるにしたがってCドライブの容量を使っていく事になります。例えば書類やいろんなファイルはデータファイルとして、Cドライブ以外のDドライブとか別のドライブ、外付けHDDに保存している人も多いのではないでしょうか?
SugarSyncは、マイドキュメント以下の専用フォルダーに加え任意のフォルダーも同期できます。
例えば、E:/dataというようなフォルダーも同期可能です。
Cドライブは、アプリケーションやキャッシュファイルが増えたりするので、むやみに音楽、、動画、画像ファイルを増やしたくないのが原則ですので、SugarSyncのこの機能は他の2つのサービスに比べ、今の所大きな利点があります。
100Gbの有料アカウントの価格:
容量が5Gb程度では、本格的にクラウドサービスを利用してるとはいえない為、100Gb程度であれば、まあデータをクラウド化しているといえるのではと考えそれぞれの100Gbでの使用量を比較しました。
Dropbox、SugarSyncの料金は、1ヶ月1500円程度1年で1万円以上のかなりの金額になります。これでは個人での有料アカウント購入は増えないですね。
ところがGoogle Driveは$4.99/月とかなりお手ごろになってきました。それでもまだ値段は高く、私個人としては、100Gbで$2/月以下になってくると爆発的に利用者が増えるのではと思います。
そう遠くない将来100Gbで100円/月の時代が来ると思います。1Gb=1円/月ですね。
その頃には500Gbくらいのサービスも一般的になってくるかも。
1年に6000円程度の費用で500Gbのファイルが同期できれば、ローカルのHDDを増やしてRAIDシステムを構築するよりも簡単になってくると思います。なんとしても専門知識がなくても同期、ファイルの保存が出来るのがいいと思います。
1Gb=1円の時代はいつ来るのか・・・。
と思って今チェックしてみるとYahooボックスは、1000Gbプランが計画されているようですね。
これはYahooプレミアム料金346円+1000Gb利用料金300円なので、100Gb=647円/月になります。
驚きの1Gb=0.647円/月ですね。
紹介による容量の増量:
これは、DropboxやSugarSyncが利用者を増やすために行っている特典で、紹介をしたユーザーがアカウントを作ると紹介者にも追加の容量がもらえるというものです。
クラウドサービスが一般化してくると無料容量が増えてくると思われるのでこのキャンペーンはあまり続かないともいます。ちなみに話題のGoogle Driveはこのような特典はありません。
その他:
Google Driveには、専用フォルダー以下の任意のフォルダーを必要な場合「同期しない」設定にする事が出来ます。
SugarSyncでは、任意のフォルダーを他のパソコンと同期させずSugarSyncのサーバーと同期させるだけの設定も可能です。所謂リアルタイムバックアップが可能です。


以上が機能面での比較です。


利用規約の部分については、最近物議を醸したGoogleの個人情報、所有権などの取り扱いも含め、
続きの部分で述べてみたいと思います。





機能面での比較で通常は十分なはずと思いますが、実は、2012年3月1日からGoogleが変更したプライバシーポリシーについては、色々な物議を醸していますが、Google Driveを利用する事によって以下の部分が問題となってきます。
以下はGoogleの利用規約です。

Google 利用規約 - ポリシーと原則 - Google
本サービス内のユーザーのコンテンツ

本サービスの一部では、ユーザーがコンテンツを提供することができます。ユーザーは、そのコンテンツに対して保有する知的財産権を引き続き保持します。つまり、ユーザーのものは、そのままユーザーが所有します。

本サービスにユーザーがコンテンツをアップロードまたはその他の方法により提供すると、ユーザーは Google(および Google と協働する第三者)に対して、そのコンテンツについて、使用、ホスト、保存、複製、変更、派生物の作成(たとえば、Google が行う翻訳、変換、または、ユーザーのコンテンツが本サービスにおいてよりよく機能するような変更により生じる派生物などの作成)、(公衆)送信、出版、公演、上映、(公開)表示、および配布を行うための全世界的なライセンスを付与することになります。このライセンスでユーザーが付与する権利は、本サービスの運営、プロモーション、改善、および、新しいサービスの開発に目的が限定されます。このライセンスは、ユーザーが本サービス(たとえば、ユーザーが Google マップに追加したビジネス リスティング)の利用を停止した場合でも、有効に存続するものとします。本サービスの一部では、ユーザーがそのサービスに提供したコンテンツにアクセスし、それを削除する方法が提供されることがあります。さらに本サービスの一部には、そのサービスに提供されたコンテンツの Google による利用範囲を狭める規定または設定があります。本サービスに提供するコンテンツについて、このライセンスを Google に付与するのに必要な権利を保有していることを必ずご確認ください。

Google のプライバシー ポリシーまたは特定の本サービスについての追加規定において、どのように Google がコンテンツを利用および保存するかに関し、さらに情報を入手できます。本サービスに関するフィードバックまたは提案をユーザーが送信した場合、Google は、ユーザーに対する義務を負うことなく、そのフィードバックまたは提案を利用することができます。

上記の部分では、Googleにアップロードしたコンテンツは、ユーザーが知的財産権を有するものの、Googleがユーザーのコンテンツを使用、改変、公開なども出来るように規定しています。


以下のページの、赤文字の部分が具体的な例を挙げています。

Google Drive では、プライバシーは守られるのか? - MSN トピックス
米国 Google が、パーソナライズされた広告を表示するために Gmail の内容をスキャンしているとしても、それを気にしないという人は多い。企業であっても、Google のメールサービスを無料で利用できるのなら、代償としてある程度プライバシーを犠牲にするのは仕方ないと考えてきた。

だが、Google が長く噂されていたクラウドストレージサービスである Google Drive を公表したとき、多くの人々が警告を発し始めた。

特に、「Google 利用規約」に記載された次の一文は物議をかもしている。なぜなら、この利用規約は Google Drive にも適用されるものだからだ。

「本サービスにユーザーがコンテンツをアップロードまたはその他の方法により提供すると、ユーザーは Google(および Google と協働する第三者)に対して、そのコンテンツについて、使用、ホスト、保存、複製、変更、派生物の作成、送信、出版、公演、上映、(公開)表示、および配布を行うための全世界的なライセンスを付与することになります」

例えばあなたがビデオを Google Drive に保存したとしよう。そのビデオが Google によって公開されたとしても、あなたはそのことに対して文句は言えないことになってしまう。もちろん、実際には、そのようなことはありえないとは思うが。




FAQ:「Google Drive」とは--サービスの機能と特徴 - CNET Japan
 これは、Googleはユーザーの同意なしには、ユーザーのコンテンツを商業目的で利用できないという意味だ。ただし、利用規約では、「ユーザーはGoogle(およびGoogleと協働する第三者)に対して、そのコンテンツについて、使用、ホスト、保存、複製、変更、派生物の作成(たとえば、Googleが行う翻訳、変換、または、ユーザーのコンテンツが本サービスにおいてよりよく機能するような変更により生じる派生物などの作成)、(公衆)送信、出版、公演、上映、(公開)表示、および配布を行うための全世界的なライセンスを付与することになります。このライセンスでユーザーが付与する権利は、本サービスの運営、プロモーション、改善、および、新しいサービスの開発に目的が限定されます」とも定めている。

 ユーザーのコンテンツについては、Googleは自らのためにそれを再利用することはできない。しかし、ユーザーがアップロードしたコンテンツをユーザーへのサービスのために使うことはできる。これには、複数のサービスの統合(OCR処理を行うためにユーザーのスキャン画像を読み取ることなど)や、ターゲット広告のためにファイルを分析することも含まれる。Googleは既にこれを「Gmail」で行っている。Googleは現在、Google Docs(今後はGoogle Driveと呼ばれる)には広告を表示していないが、そのライセンス契約に従えば、Googleはユーザーがアップロードしたコンテンツに関連したデータを使って、そのサービスのいずれかの場所でそのターゲット広告を表示させる可能性がある。

多くの企業は従業員に対して、Google の利用規約が企業情報にどのように影響を与えるのかを Google が明確にするまでは、企業データを Google Drive に保存しないように呼び掛けている。


これは非常に大きな問題だと思います。
特に気になるのはGoogleのようなマーケットシェアが大きい企業がこのような利用規約を出してきた事が問題だと思います。

例えば、
レンタルサーバー会社が、ホスティング会社が、サーバーにアップされたユーザーのコンテンツを勝手に使うような事がありますか?
銀行の貸し金庫に預けた美術品を銀行が宣伝の為に勝手に使う事がありますか?

Googleはもちろんそのような事を大々的に行う事はないけど、
Googleのような巨大企業になるといろんな事が起こり、偶発的な事故のような状況で上記のようなユーザーのコンテンツを使ってしまった事になる場合があるかもしれません。
でも、訴訟になればGoogleは会社を守らなくてはならないので、利用規約を持ち出してきて正当化するでしょう。

DropboxやSugarsyncはクラウドサービス提供会社としてビジネスを考えているのだろうけど、Googleの場合は、総合IT企業として将来はもっといろんな可能性を求めているはずです。

Google Driveというサービスを始めてGoogleの利用規約は改めて物議を醸すようになると思います。






という事で最後はGoogleの利用規約に関する問題になってしまいました。
スマートフォンを含めたクラウドサービスを使ってみたいという人は、
DropboxかGoogle Driveが良いのではと思います。
ただし、Google Driveの場合は、上記の利用規約の問題から多量のコンテンツをアップロードするのは待っておいた方がよいのではと思います。
またこれら3つ以外にも、クラウドサービスは色々あります。
近い将来にもいろんな会社がいろんな機能、値段をつけて参画して来ると思いますので、必ずしもGoogle Driveを使う必要もないと思います。
有料のようですが、容量無制限のクラウドサービス bitcasa等というものも出始めてきています。

  • 有料に関して言えば、個人的には、500Gb=200円/月位以下になる事。
  • 同期フォルダーが、任意の場所に設定できる事。
  • Googleが物議を醸しているようなコンテンツの所有権に対する心配がなくなる事。
これらの条件がそろえば、ほとんどのデータをクラウド化する動きが一気に本格化してくると思います。
この値段であれば自分もお金をかけてもいいと思っています。


自分の場合は、しばらくはSugarSyncをメインに使っていこうと思っています。
メインで使うという事は、毎回パソコンの起動と同時にアプリを常駐させてファイルを同期させていく事を指します。SugarSyncをメインに使うのはいろいろ細かな設定が出来るからです。
無料で50Gbを使えるYahooボックス(自分はYahoo BB会員の為)も一部の画像をアップして使っていきます。これは必要なときに同期させます。ただしYahooボックスはちょっと挙動が異なるのでメインとしては使いません。
Dropboxもそれなりに使わせてもらいます。これも必要な時に同期させます。
Google Driveはインストールはするけどまだ様子見ですね。新しい機能とかが追加されるとトライするような状況じゃないかな。



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