2013年6月30日

iPS細胞を使った加齢黄班変性の治療がの為の臨床試験が承認されました

(Cache by Peeer.us) iPS細胞:「目の病気」臨床承認 厚労省審査委- 毎日jp(毎日新聞)
毎日新聞 2013年06月26日 21時17分(最終更新 06月27日 01時22分)
 厚生労働省のヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会(委員長・永井良三自治医大学長)は26日、理化学研究所などが申請していた、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を目の病気「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」の治療に使う臨床研究の実施計画を承認した。iPS細胞の臨床応用では世界初の承認となる。早ければ来年夏にも患者へ移植される見通し。

 審査委は、移植する細胞の染色体が大きく傷ついていないことなどを確認し、がん化のリスクを可能な限り減らすことを条件に審議を終えた。来月予定される厚生科学審議会科学技術部会と厚労相の了承を経て、正式に実施が認められる。

 iPS細胞は、山中伸弥・京都大教授が、体細胞に遺伝子を入れる方法で開発した。2006年にマウスでの作製成功を発表、翌年にはヒトでの作製にも成功し、昨年のノーベル医学生理学賞を受賞した。

 臨床研究は、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーらが計画した。網膜の中心にある「黄斑」が傷ついて視野がゆがんだり暗くなったりし、重症の場合は失明に至る「加齢黄斑変性」の患者が対象。網膜の裏側に余分な血管が生える「滲出型(しんしゅつがた)」の患者のうち、既存の薬が効かず、矯正視力が0.3未満の50歳以上の6人を選ぶ。研究では、治療効果ではなく拒絶反応やがん化など、安全性を調べる。

 移植する細胞は、患者自身のiPS細胞から作る。患者の上腕部の皮膚(直径約4ミリ)を採取し、皮膚細胞に遺伝子を組み込み、iPS細胞にする。そのiPS細胞から網膜色素上皮細胞を作り、培養して移植用の網膜色素上皮細胞シート(縦1.3ミリ、横3ミリ)を作る。このシートを患者の黄斑の傷んだ部分に移植する。手術は、同センターに隣接する先端医療センター病院で専用の器具を使って実施する。仮にがんになった場合は、レーザーで焼くなどの方法で除去することにしている。

 今年2月28日に理研などが計画を申請した。審議は3回開かれ、iPS細胞を作る際に使う遺伝子などの影響で、移植後に細胞ががん化したり、網膜以外の細胞が交ざる可能性がないかどうかを議論した。【野田武、八田浩輔】
(Cache by Peeer.us) iPS細胞:「目の病気」臨床承認 厚労省審査委- 毎日jp(毎日新聞)
 目の奥にある網膜中心部の「黄斑」が年齢とともに異常をきたす病気。視野の真ん中がゆがんだり暗くなったりし、悪化すると失明につながる。日本の患者は推定約70万人。日本人に多いのは、網膜の裏にできる余分な血管からの出血が原因となる「滲出型(しんしゅつがた)」。近年承認された「抗VEGF薬」などが有効だが、症状がよくならない人が2〜3割いる。


iPS細胞を使った加齢黄班変性の臨床試験が承認されたようです。
臨床試験は、早ければ来年2014年夏にも移植される予定らしいです。
以下の記事によると、移植に必要な患者本人から作られた細胞シートは完成までに約10か月かかるのですね。なので移植は早くても来年の夏頃という事になっているようです。

(Cache by Peeer.us) iPS細胞の臨床研究を承認、厚労省 世界初 国際ニュース : AFPBB News
 対象となるのは50歳以上のAMD患者6人。これらの患者から皮膚細胞を採取し、遺伝子を組み直してiPS細胞を作製。その細胞を網膜細胞に分化させ、約10か月かけてできた網膜色素上皮の細胞シートを患者の目に移植する。


加齢黄班変性のメカニズムや実際の移植の方法は以下のページに詳しく説明されています。

(Cache by Peeer.us) 時論公論 「臨床段階を迎えたiPS細胞」 | 時論公論 | 解説委員室:NHK
昨年のノーベル賞を受賞した京都大学山中伸弥教授の開発したiPS細胞が、いよいよ臨床研究として実際の治療に使われることが、昨日開かれた国の審査会で決まりました。
世界中の期待を集めて続けられてきたiPS細胞の研究が新しい時代を迎えます。
そこで、今夜は予定を変更して、iPS細胞と臨床研究について考えます。


以下のように安全性への懸念が少ないとはいえ、移植から1年は詳細の経過観察、さらに3年間は追跡調査を行うらしいので、今から5年後くらいにならないと臨床試験結果は判断できないという事なのかもしれませんね。その前に途中経過が報告されて経過が良ければ更なる臨床試験もあるのでしょうか?

(Cache by Peeer.us) 患者に大きな一歩 iPS臨床研究の加齢黄斑変性、症状改善へ 安全上の懸念が少なく - MSN産経ニュース
 初の臨床応用でこの病気が選ばれたのは、安全上の懸念が少ないからだ。iPS細胞は目的の細胞になりきれていない未分化細胞が残っていると、移植後に腫瘍ができる恐れがある。しかし、網膜色素上皮細胞は茶褐色のため他の細胞と区別が容易で、未分化細胞の混入を防げる。万一、腫瘍ができてもレーザー治療で簡単に除去できる。

 マウスやサルなどを使った実験で腫瘍はみられなかった。ただ、今後のモデルケースとなるだけに慎重な確認が必要で、移植から1年間は詳細に経過を観察。さらに3年間、追跡調査して安全性を検証する。


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