2010年12月12日

人工視覚?

私の父は、網膜色素変性症という難病を患っています。中途失明の3大原因の一つです。
以下のニュースは機能を失った脳膜に微弱電流を与えて刺激して視力を回復したというもの。

index.jpeg 大阪大大学院医学系研究科(大阪府吹田市)の不二門尚(ふじかどたかし)教授(感覚機能形成学)、神田寛行助教らの研究グループは、網膜の異常で失明した「網膜色素変性症」の患者の網膜を、微弱電流で刺激し、視力を回復させることに成功した。

 6人中5人で効果が確認され、目の代わりとなる小型カメラでとらえた光の動きを追うことができた人もいた。国内で「人工視覚」の成功例は初めて。不二門教授は「数年以内につえなしで歩けるようにしたい」としている。

 目の構造をカメラに例えると、角膜、水晶体がレンズ、網膜がフィルムにあたる。健康な人が見た映像は、電気信号に変換され、網膜、視神経を経て脳の視覚野に送られ、「見える」ようになる。しかし、網膜色素変性症になった人は、網膜の視細胞が徐々に消失するため、信号が視覚野へ届かなくなって光を失っていく。

 不二門教授らは、患者の網膜の外側の強膜の中に、刺激電極のチップ(7ミリ・メートル四方)を装着。チップから微弱電流を流し、眼球内に埋め込んだ帰還電極にあて、返ってきた電流で網膜内にわずかに残った神経細胞を刺激する方法を考えた。

 2005年秋と08年春には、計4人にチップを装着。手術中のわずかな時間に光の刺激を与えたところ、3人が光の方向を判別できた。

 今年4~7月には、失明して10年以上になる女性2人に1か月間チップを装着しCCDカメラをおでこにつけてもらった。カメラで取り込んだ画像情報は、体外の装置で電気信号に変換され、体内装置を経て、強膜内のチップに送られた。

 千葉県の女性(67)はパソコンの黒い画面上に不規則に現れる白色の棒をカメラで見て、位置を指さすことができた。女性は「闇の世界でしたが、白い光がはっきり見え、棒の位置を追えました。光が見えるというのは素晴らしい」と話す。

最終更新:12月5日(日)3時2分

網膜色素変性症で一度失った視力が回復するなんて夢のような話ですね。
比較的若い年齢で視力が落ちた人等にはこのような治療が効果がある気がします。
視力が完全に落ちるまえにこのような治療で視力の確保が出来るかもしれません。

ただ、iPS細胞を使った再生医療が意外と早く実用化すれば、
将来は網膜全体を再生できるような夢のような治療が可能になるかもしれません。
再生医療はまだ倫理的な問題も解決しなければならないと思いますが、機能を失った人にとっては是非必要な治療法だと思います。


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