2012年1月24日

特許庁のシステム開発が中断

「特許庁システム開発、ついに中断」 News i - TBSの動画ニュースサイト
 入札過程の不透明さを追及してきた、特許庁システムについてのニュースです。開発が始まって5年が経ちましたが、枝野経済産業大臣は「完成の見込みがない」として、開発プロジェクト自体の中断を決めました。

 「このプロジェクトはこのまま継続した場合、予定どおり完成する見込みがなく、現時点での大臣として大変申し訳なく思っています」(枝野幸男経産相)

 日本の産業を支える国家プロジェクトが頓挫しました。特許庁システムの開発プロジェクト。枝野大臣がそのプロジェクトをついに中断することを発表しました。

 特許庁システムは、総額260億円をかけて特許権などの出願や審査などを一括して行う巨大システムです。2006年に東芝ソリューションがその「設計・開発」を受注しました。

 問題の発端はおととし3月。「NEWS23クロス」の調査報道で、東芝ソリューションが公表されていないはずの入札資料を事前に入手していたことが分かりました。社内のメールでは、「夢の中で手に入れた」と隠語で表現されていましたが、関係者に取材すると・・・

 「出元を言いたくない。でも、関係者はどこから手に入れたかはもう明らか。要は、特許庁さんから(手に入れた)」(プロジェクト関係者)

 私達の報道を受けて特許庁は、内部調査を実施。情報を漏らした職員を懲戒免職処分としました。不透明な入札で始まったプロジェクト。いつまでたっても完成のメドが立たず、結局、開発プロジェクト自体の中断が決まりました。

 なぜ、プロジェクトは頓挫したのでしょうか。特許庁の技術検証委員会は、東芝ソリューションの能力不足を厳しく指摘しています。

 「東芝ソリューションのプロジェクト管理能力、設計開発能力が十分ではなかった。東芝ソリューションの担当者が、システムの基本アーキテクチャー(構造)を十分理解できていなかった」(特許庁検証委員会)

 最先端技術の特許を持つ多くの企業が加盟する日本知的財産協会。プロジェクト開始から5年もの歳月が経ってからの中断に、衝撃を受けています。

 「5年の遅れというのは非常に痛い。いろんな大きな会社が(5年間の)"待ち"の期間を無駄にしてしまった。"じゃあ外国に行こうか"という気になりかねない状況」(日本知的財産協会・早崎泰監事)

 今のシステムでは、中国など海外の特許情報を十分に得られないなど、日本の出願者は当分の間、不便を強いられることになります。

 「本プロジェクトは中断し、契約および関係法令にのっとり厳正かつ的確に処理すること、以上を指示しました」(枝野幸男経産相)

 特許庁は今後、既に東芝ソリューションに支払われた金額などの扱いについて、検討を進める方針です。(24日21:13)


よくある顧客側のプロジェクト担当者が、業者側の責任にする構図。
業者は顧客との関係が将来もあるので一切反論しないですね。
こういう時って、特許庁は損害賠償の交渉や訴訟は起こさないのでしょうか?

こういう場合、発注側の期待と受注側の思惑が上手くいかないと、プロジェクト自体の仕様がいろいろ変わったりプロジェクト期間がどんどん延長されたりして結局はどうにもならない状態になります。


特許庁のプロジェクト担当者が、業者の不完全なプレゼンテーションだけで物事を判断してしまい、
うまく結果が出ないものをダラダラと継続させてしまったのではないでしょうか?
プロジェクト担当者の能力不足が一番の問題だったのではないでしょうか?

しかし、この話は外国のプロジェクトの話ではなく日本国内でのプロジェクトです。
業者の担当者もなんとか顧客を教育し、正直に対応して本当にうなく行くかどうか話し合いを持ツ必要があったのではないでしょうか?
それとも、顧客も業者もプロジェクトが頓挫してもなんとも思っていないくらい腐っているのでしょうかね?
260億円が吹っ飛んでしまったんですよね。


それにしても、ただでさえ遅い日本の特許審査システム・・・
少しはましになる可能性がなくなったという事ですか。



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