2012年1月21日

2012年も続く日系企業の進出(ベトナム) - 日本商工会議所ニュースラインより

2012年も続く日系企業の進出(ベトナム) - 日本商工会議所
2012年1月20日 21:26

 ▼会員数はベトナム全土で1,000社超
 ベトナムへの日系企業の進出が続いている。2011年末のベトナム日本商工会(ハノイ)会員企業数は年初より36社増の435社。1998年に120社であった会員数は、通貨危機等の影響で200社を超えるのに10年近くかかったが、この6年で2倍以上に増加している。ベトナムには北からハノイ、ダナン、ホーチミンの3つの日本商工会があるが、会員数の合計は、ダナンの約50社、ホーチミンの約550社をあわせると、1,000社を超える。
ベトナム政府によると、11年の日本企業の投資許可件数は過去最高の172件となった。進出の内容を見ると、中小製造業の進出が目立ってきている。500㎡程度の貸工場への需要はかなりあり、金型、メッキなどの産業の進出も見られる。
他方、平均年齢が27歳代、人口8,700万人、11年の1人あたりGDP約1,300ドルのベトナムを、今後の一大消費市場と捉えている小売業・サービス業も出てきている。彼らは自ら市場を創造すべく、事業を長期的に整備し、ベトナムへの浸透を図っている。
総じてベトナムへの日系企業の投資意欲は高く、また、タイの洪水を契機としたリスク分散の傾向、円高等により、今年もベトナムへの日系企業の進出が続くと考えられる。
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 ▼解決困難なインフレ問題
 ベトナム経済は11年、20%を越えるインフレ率を記録し、物価は06年の水準のほぼ倍となった。このインフレは、国民生活への直接的な影響のほか、人件費や原材料費、ストライキ等で企業にも大きな打撃を与えている。
ベトナム政府は11年2月、インフレ抑制のために大幅な引き締め政策を行い、その結果、数カ月間インフレを抑えることができた。しかし、ベトナム商工会議所は、その効果は限定的なもので、ベトナム国内企業の資金調達難などから倒産が増加したと主張している。
ベトナム政府は、12年も引き締め政策を継続すると表明しているものの、最低賃金が引き上げられた昨年10月以降、再度物価の上昇幅が大きくなってきている。

 ▼輸出産業の強化が急務
今回のインフレは、恒常的な貿易赤字によって引き起こされた通貨ドンの継続的な下落に伴う、通貨への国民の信頼喪失と、輸入インフレによるものである。貿易赤字の要因としては、日用品の多くを周辺国から輸入していること、製造業における高度な部品の多くを輸入に頼っているために付加価値が高くならないこと、ベトナムで採掘した原油等の資源を国内で精製する技術力がないこと、主力輸出産品である農産物の輸出販売価格が安いこと等が挙げられる。
今後、通貨の信頼を取り戻すには、輸入代替によって輸入品を自国生産品でカバーし、輸出産業を強化する必要があり、輸出産業に関連する日系企業の進出が期待されている。また、統計上の問題により、通貨への信頼が過小評価されている可能性もある。
これらの問題点については、当会でも日越両首相の合意のもと、ベトナムの投資環境整備のために設置されている日越共同イニシアティブの場で、状況改善に向けた協議と計画の実行を着実に進めている。

(ベトナム日本商工会 事務局長 小倉 政則)


ベトナムに2012年も日本企業進出が続くという日本商工会議所が発表した記事です。
一時期は、ホーチミンよりハノイへの日系企業の進出が多いのでではと思っていましたが、
このグラフで見ると、現在は差はないようです。
2009~2010年あたりがホーチミンは少し会員数の増加が鈍化しているようですが、
この時期がハノイへの進出がホーチミンより多いと思っていた頃でしょうか。

ベトナムの日本商工会登録企業だけで1000社を超えているんですね。 ちょっとタイと比べてみます。 盤谷日本人商工会議所 - 沿革: 会員数推移 では参加日系企業の数は、2011年4月現在で、1327社。 ベトナムの1000社強と言うのは、タイ商工会の1995年レベルのようです。 しかし日系企業の増加率がベトナムの方が現在圧倒的に高いので、 日系企業の数がタイ並になるのはそんなに遠い将来ではない様な気がします。 ちなみに、企業数だけで言うとタイに日系企業数は、7000社だとか。 そのうちの半分が活動をしていると考えられるらしいです。

JBIC 国際協力銀行 | タイ王国バンコック銀行向け貸付契約調印

中堅・中小企業を含めると在タイ日系企業は約7,000社に達しています(2009年4月現在)


但し上記レポートにもあるように、既に恒常的となったベトナムの貿易赤字。
内需の増加は他のASEAN諸国と同じく見込まれるので、
輸入に頼らず、国内の製造業、第一次産業を育てていくようにしないと、
あっという間に他の新興国、カンボジアやミャンマーに追い越されてしまうのではないでしょうか?

ベトナムが社会主義国で相変わらす利権と賄賂にしか興味を持っていない高級官僚が多数派なうちは自国の産業を強くするというような発想は生まれてこないのかも。
比較的勤勉で親日というお国柄だとしても同じ仏教国である上記のカンボジアやミャンマーの方がそのうち伸びてくる可能性がある気がします。

民主化が始まったミャンマーは、インドやタイ、バングラディシュと国境を接しているし、
もともといろんな意味で競争力が必要な位置にあるのではないでしょうか。
と、最後はミャンマーの話になってしまいました。


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