William
Henry Fox Talbot
Talbot家の中で一番有名なのが
William Henry Fox
Talbot(1800〜1877)です。彼は現在利用されている、『ネガティブ』、『ポジティブ』システムを発明した人物として有名です。
Talbotは、Lacockでは生まれませんでしたが、ケンブリッジ大学を優秀な成績で卒業した後、1827年にLacockへ移ります。
1832年に結婚後、同年に隣町のChippenham(チッペナム)出身の国会議員になりますが、2年しか続かず、彼の興味は外国(特にイタリア)へ向けられます。
1834年にイタリアを旅行中、彼は「Camera
Lucida」と「Camera Obscura」を使いComo湖畔の風景をスケッチしようとしますが、彼の絵のテクニックは優れたものではなく、その時、「Camera
Obcura」の映像を一時的なものではなく永遠に記録できないかという疑問が彼の写真への数々の発明の起源となります。
「Camera
Obscura」とは、レンズとすりガラスを組み込んだ箱でできたもので、このすりガラスに映った映像をTalbotは、なぞってコピーしていました。
食塩水を紙に塗布し乾燥した後、硝酸銀の溶液をブラシで塗り、木の葉や、レースをその紙の上に置き、太陽光線に露光する事で、彼が「Photogenic
Drawingフォトジェニックドローイング」と呼んだイメージを得ることができました。これが所謂今日で言うネガティブで、このネガから後にポジが作られるようになります。 Fox
Talbot
Museumには、現存する最古のネガといわれている、建物の出窓をCamera
Obscuraを使って1835年に撮影したのもが展示されています。 残念ながら、これらのPhotogenic
Drawingは露光に一時間ぐらいの時間がかかっていました。Photogenic
Drawingに使われた紙は、露光するにつれ色が変わり、レンズから外された時には既に映像が見えていましたが、定着技術はまだ完成されておらず、三時間もすると見えなくなってしまうものでした。 ある日Talbotは、大変短い露光時間で、紙に露光すると紙には何も写っていないが現像液を使うことでネガティブになることを発見しました。 1841年、Talbotはこれらのネガティブーポジティブのプロセスを、Calotype(キャロタイプ)と名付け、特許を取得します。このCalotypeは、後のすべての銀鉛写真の基となったプロセスです。 Fox
Talbot関係のサイト The
Correspondence of William Henry Fox Talbot Photogenic
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